親の不安が、
子どもの自由を奪うことがある

守りたい気持ちは、愛。
——でも、その奥の不安が、
子どもの自由を縛ることもある。

この記事を読んでほしい人 子どもへの心配や、不安が強い親

「この子に、失敗してほしくない」
「傷ついてほしくない、苦労してほしくない」
——そう願う夜が、何度もあった。

その想いは、まぎれもなく愛だ。子どもを思わない親なんて、本当はいない。先回りして危険を消したくなるのは、あなたが冷たいからじゃない。あなたがその子を、心の底から大事にしているからだ。

——でも僕は、あえてここに立ち止まりたい。
親の不安は、いつのまにか子どもの自由を奪う側に回ることがある——愛のままの顔をして。

先に言っておく。この記事は、親を責めるためのものじゃない。
「守りたい」というまっすぐな気持ちの奥に、何が隠れているのか。それをあなたと一緒に、静かに見にいくためのものだ——責めるためじゃなく、ほどくために。

口から出る言葉は、たいてい「止める」

危ないから、やめなさい。
失敗するから、やめておきなさい。それは無理だよ。
普通はこうするものだよ。
みんなと同じにしておいた方がいい。
——こっちの方が、安心でしょう。

親は、子どもを守りたい。守りたいから、行く手をふさいでしまう。
止めるという行為は、いちばん手っ取り早い「愛し方」になっていく。

その「止める」が、愛から来ているのは間違いない。
——けれど一日に何度も、何年も積み重なると、愛は少しずつ別の形に変わっていく。子どもの背中を押す手のはずが、いつのまにか、行きたい方向をふさぐ手になっていることがある。

親自身の不安が、奥に隠れている

その言葉の奥を、もう一段だけのぞいてみてほしい。
——そこに隠れているのは、案外、子どもの危険ではなく、親自身の不安だったりする。

自分が怖いから、止める。自分が安心したいから、正す。
自分が傷ついた経験を、子どもにまでなぞらせたくなくて、まだ起きてもいない未来を決めつける。
——僕にも、覚えがある。子どもがやりたいと言ったことを、危ないからと反射で止めた夜、本当に守ろうとしていたのは子どもじゃなく、「失敗させた親」と思われたくない僕自身だった。

親の不安が子どもに移るのが続くと、
——子どもは、自分の感覚そのものを信じられなくなっていく。お腹が空いた、これがやりたい、これは嫌だ——そういう、自分の内側から湧く声を、だんだん疑うようになる。

——「お母さんが怖がるなら、やめておこう」が、
やがて「自分も怖がるべきなんだ」に変わっていく。世間は「親の言うことを素直に聞く子はいい子だ」と言う。でも僕は、そこをそのまま信じたくない。素直さの名のもとに、自分の声を消していく練習をさせていないか——そこは疑っていい。

失敗する自由も、迷う自由も、ある

子どもには、本当はこんな自由がある。
失敗する自由がある。
迷ったまま、立ち止まる自由がある。
やってみて、確かめる自由がある。
——そして、自分の心で「好き」や「嫌だ」を感じる自由がある。

その自由を全部、先回りして守ろうとすると、
——皮肉なことに、子どもが自分の足で立ち上がる力まで、そっと奪ってしまうことがある。守りすぎは、もうひとつの縛りになる。

痛みを一度も知らないと、人の痛みに気づく優しさは育ちにくい。
——転んだことのない子は、起き上がる力を自分の中に持てないまま大きくなる。だから、すべての転倒を先に消してあげることが、いちばんの愛とは限らない。

不安を、否定しない。けれど、見つめる

RE:STARTは、親の不安を「いけないもの」として切り捨てたりしない。
不安があるのは、それだけ真剣に向き合ってきた証だから。

でも、ここはごまかさない。
——その不安が、子どもの本来の姿を、知らないうちに縛っていないか。そこだけは、まっすぐ見つめる必要がある。

子どもを変えようとする前に、まず順番がある。
——親である自分の不安を、自分でちゃんと見ること。子どもは、言葉より先に、親の不安そのものを吸い込んでいくから。

この順番を間違えなければ、何かを我慢させる必要も、誰かを悪者にする必要もない。

それは、子どものためか、自分の安心のためか

あなたは今、子どもの何を、いちばん心配しているだろう。
その心配は、本当に「その子のため」だろうか。
それとも、揺れている自分の不安を、安心させるためだろうか。

——責めるためじゃなく、ちゃんと見るために問いたい。世間は「母親は自分を後回しにして当たり前」と言うけれど、自分の不安を見ないまま親を続けることは、本当は誰も幸せにしない。あなたの心が整っていることは、わがままじゃなく、その子への何よりの贈り物だ。

子どもを見る前に、
まず自分の不安を見る。そこから連鎖は止まる。

親の不安がほんの少しゆるむと、
——子どもの自由も、同じだけゆるんでいく。あなたが受け取ってきた不安の連鎖を、あなたの代でそっと止める。それはすぐにできることでも、簡単なことでもない。でも、自分の不安を見ようと決めたその瞬間から、もう連鎖は細くなりはじめている。僕もまだ途中だ。一緒に、ここから始めればいい。

— Next Step

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人生は、何度でも始め直せる。

読んで気づいたことを、自分の言葉にする場所があります。
誰かに相談する前に、まず自分の声を聴く。それだけでいい。